なぜホワイトニングで歯が白くなるのか
こんにちは。にしだ歯科医院です。
今回は、なぜホワイトニングで歯が白くなるのか、その仕組みについてお話ししていきます。
ホワイトニングとは
現在広く浸透しているようなホワイトニング治療は、1989年にアメリカで実用化されたのが始まりです。歯の表面についた着色を落とすだけのクリーニングとは異なり、歯の色素を分解することによって白くすることができます。
ホワイトニングで歯が白くなる仕組み
- エナメル質の有機物質が分解される
歯は、表面からエナメル質、象牙質、歯髄(歯の神経)の3つの組織からできています。エナメル質の色調を変えるのがホワイトニングです。エナメル質は無機質であるリン酸カルシウムの結晶であるハイドロキシアパタイトからできており、ほぼ無色透明です。ただし、一部有機物質が含まれており、歯の色はこの有機物質に左右されます。ホワイトニングでは、エナメル質の有機物質を分解することで色調を目立たなくし、歯の色を白く見せます。具体的には、ホワイトニングの薬剤である過酸化水素に熱を加えるとフリーラジカルとよばれる物質が発生し、これがエナメル質の色素と結合し、色素を分解して無色透明にするという現象が起きています。また、有機物質が分解されることによりエナメル質の内側にある象牙質が透けにくくなる効果もあります。
- マスキング効果
エナメル質の内側にある象牙質が乳白色をしているため、たとえ①のようにエナメル質の有機物質を全て無色透明にしても象牙質が透けて見えてしまいます。これは、エナメル質が小さな柱状の組織が集まってできている小柱構造をしているためです。ホワイトニングで使用する薬剤は、エナメル質の有機物質を分解するだけでなく、エナメル質の柱の構造を角状から球状に変化させる働きをもちます。このことで光の乱反射が起こり、象牙質の色が透けにくくなります。この現象をマスキング効果といいます。
ホワイトニングの安全性
ホワイトニングで使用する過酸化水素は、医療分野において漂白や消毒を目的に使用される物質であるため、安全性が確認されているものです。また上記のように、ホワイトニングの仕組みは何か歯の表面の物質を溶かしたりするものではなく、色素を分解するだけですので、歯の組織が傷ついているわけではありません。
このように、ホワイトニングは安全性の確立された治療方法です。
ご興味のある方は、お気軽に当院までご相談ください。
2023年4月20日 (木)
カテゴリー : ホワイトニング